松下 尚士

2023年8月14日5 分

不動産の疑問! 注文住宅を考える人からのよくある疑問

不動産購入は「人生最大の買い物」でありながらもわからないことだらけです。

注文住宅となればなおさらです。今回は、注文住宅を考える人からのよくある質問の中から、業者には聞きにくい質問をピックアップしてスッキリ答えます。


注文住宅を考えたら何から始めたらいいですか

注文住宅を考えたら、建てたい家のイメージを組み立てましょう。「車いす生活のおばあちゃんと一緒に暮らせる家」や「犬がたくさん飼える広い庭のある家」というように具体的なイメージをもつことが大切です。

具体的な家のイメージができたら、イメージを形にしてくれる依頼先を探します。とはいっても、素人がいきなり依頼先をみつけることは難しいことです。とくに土地から探す必要がある場合は、土地探しから家を建てる会社紹介までを網羅しているエージェントに依頼した方がいいかもしれません。

工務店はどうやって探せばいいですか

最近は工務店で注文住宅を建てたいと考える人もいます。ハウスメーカーならば知名度も高いため住宅展示場に出向けばいいのですが、工務店探しは頭を悩ませることが多いようです。

インターネットで工務店を探す方法もありますが注意点があります。イメージで決めないということです。例えばホームページに外国風の広い庭で大きな犬とたわむれる子どもの画像が使われていたとします。見た人は「こんな生活に憧れていたの」と思うでしょう。しかし、それは生活への憧れであり家とは関係ありません。

工務店選びは実績と信頼で選ぶべきでしょう。インターネットからの情報は参考程度にして、自分の目と耳で確認することが大切です。工務店は、地元密着型で仕事を請け負う傾向があります。

工務店の周辺で工事中の物件をみかけたら工事現場の管理や職人の様子を観察してみるといいでしょう。

値引き交渉をしてもいいですか

注文住宅の値引きと中古物件の値引きは全く内容が違います。

中古物件は、すでに売る家があるため値引きをしたところで変わるものは値段だけです。しかし、注文住宅は売る家がまだできあがっていない状態です。

もしも強引に値引き交渉を進めれば、値引いた分だけどこかで帳尻合わせをされる可能性があります。わかりやすく説明すると、ケーキ屋でショーケースの中にあるショートケーキを買うならば値引きしてもらったほうが得です。

しかし、ケーキを作る前に値引き交渉をしてしまったら、ケーキを作るときに中に入れるイチゴの量を減らしたり、イチゴの質を落とされたりする可能性があります。家も同じことなのです。

結論は、注文住宅では値引き交渉はおすすめしません。業者によっては、お願いしてもいないのに「100万円値引きさせていただきます」と言い出すこともあります。その場合は、事前に「値下げ予定分を上乗せしてあった」と考えた方がいいでしょう。

ネットやアウトレットで購入したキッチンなどは使えますか

注文住宅のお金を少しでも節約するために、インターネットオークションやフリマサイトで安いキッチンや洗面台を購入したいと考える人もいます。また、量販店では海外を思わせるおしゃれな商品も多く、自分でみつけたものを取り付けてほしいと思うこともあるでしょう。

しかし水回りは、ただ単にモノを設置すれば使えるということではありません。事前に給排水の管や電気の配線や壁を入念に確認する必要があります。場合によっては「キッチン本体は安く購入できたけれど追加工事費がかかってしまい、結果的に高くなってしまった」となる可能性もあります。ネットやアウトレットで購入したものを設置したい場合は、早めに施工会社と相談するようにしましょう。

注文住宅は着工してからでも変更や追加ができますか

注文住宅は自由度が高いことが魅力ですが、どのような変更や追加でも好きなだけできるわけではありません。とくに間取りについては着工前に決定しなければならず、変更は難しいでしょう。なぜならば、間取りは「建築確認申請」をするからです。建築確認申請とは、これから建てる家が法律に適合しているかをチェックするものです。建築確認申請では、間取りがかかれた図面を添付します。申請が認められてから間取りを変更する場合は、一度申請を取り下げて、再度申請することになるのです。図面など必要書類も作成しなおすことになるため、追加の費用も発生します。

壁紙や設備の変更や追加は、発注や工事の進み具合にもよりますが対応可能であることが多いでしょう。いずれにしても、あとからの変更や追加は余計なお金がかかるものです。設計の段階からよく考えて決定することが大切です。

おわりに

注文住宅は家を「購入する」という話とはまったく違います。「この土地の地盤は大丈夫か」「工法はどれがいいのか」「家具も一緒につくってもらえるのか」といように大きな疑問から小さな疑問まで次から次へと疑問が湧き上がってくるものです。そして、それらのすべてに決断を下さなければなりません。

注文住宅は「希望通りの家を建てられる」というメリットもありますが「すべてを決めなければならない」という大きな負担もあります。負担を少しでも軽くするポイントは、相談しやすい会社をみつけることです。「この会社となら一緒に家を建てられる」と思える会社をみつけて楽しみながら家を建ててみてはいかがでしょうか。

    90
    0